30代の転職市場

30代の転職市場

30代はキャリアの大きな分岐点と言えます。
社会人として働きはじめてから10年程が経過し、働くことに対する考え方や価値観、自分の強み弱みなど様々なことが分かるようになってくるものです。
そういった節目のタイミングだからこそ、キャリアアップという意味で転職という決断を下す方は多くいらっしゃいます。

転職市場全体でみてみると、30代の転職者の割合は増えてきています。
その背景としては、「人手不足」と「30代を積極的に採用する企業の増加」が挙げられます。

人手不足の深刻化

帝国データバンクによる「人手不足に対する企業の動向調査」によると、人手不足と回答した企業は全体の50.1%と半数を上回る結果となりました。
特に、「飲食店」では8割り近くが人手不足と回答したとの回答が。
その他、近年のDX需要の旺盛により「情報サービス」も景況感は高水準で推移している一方で、深刻なIT人材不足が起こっています。

また、新型コロナウィルスの影響で一時は観光業や飲食業は休業や倒産といった話題が多く持ちあがっていましたが、
コロナ渦3年目となり徐々に落ち着きを取り戻しつつある状況で再び人手不足が深刻な問題となってきています。

こういった人手不足は業界を問わず起きており、「売り手市場の今だからこそ…。」という形で転職を希望する30代が増加しているのです。

30代を積極的に採用する企業の増加

これまでは「30代以降の転職はなかなか難しい。」という考えを持っている方が多くいらっしゃいました。
実際以前までは20代を積極的に採用したいという企業が多くいましたが、
最近では実務経験が豊富で即戦力となる30代をメインに採用をしたいという企業が増えてきています。

人手不足という現状だからこそ教育の期間がそれほどない、即戦力が求められているのかもしれません。

需要があるといっても…。

転職市場での30代の需要についてここまでお話してきましたが、人手不足というだけではやはり転職は成功しません。
30代の転職では即戦力として高く期待されての入社ですからその分求められるスキルは高くなりますし、
プレッシャーがかかってきます。
新卒社員と30代の求職者とでは、企業側が前提条件としてとらえているスキルやキャリアが異なることは意識しておく必要があります。

20代以上に自分のスキルや強みをしっかりと理解したうえで、キャリアアップ実現に向けて対策をしてみてくださいね。